・晴れた夜
虫の声が季節の移ろいを告げ、湿り気を帯びた空気が肌に静かにまとわりつく。寒暖の差に体が追いつかず、少しばかり重さを感じることもあるだろうが、それは季節が動いている証拠だ。街のどこかで誰かが何かに熱中しているような、そんな熱気が遠いざわめきとなって届いてくる。大一番の夜、まわりの返事が少し遅くなっても、それをあなたのせいだと思い込まないで。日の入りは昨日より少しだけ早い、そんな夜だ。
明日は賑やかな週末の始まりとなる。朝は静かな空気の中、昼を過ぎると街の人出は少し増えるかもしれない。夜には画面の向こう側が賑わい、遠くで答え合わせが行われるだろう。答えはすぐには出ず、先へと先送りされているような予感もあるが、週の半ばには何らかの形で見えてくるはずだ。
今夜は、迷っていたお土産の候補を一度忘れて、思考を休めておく。冷凍庫の中では、保冷剤を一つ端の方へ寄せて、隙間にゆとりを持たせておく。明日、もし空が急に濡れそうになっても慌てないように、折りたたみ傘を玄関に置いておく。
クロ・陽葵・優月が、この夜の手紙を読んでいます