・晴れた夜
虫の声もいつの間にか途絶え、夜の空気は透き通るように澄んでいる。街の灯りが静かなリズムを刻み、深呼吸をするたびに胸の奥まで清まるようだ。まわりの人もどこか心が緩んで、表情が柔らかくなっている夜。テレビの向わりの賑わいが遠いざわめきのように伝わってくるけれど、不確実な予感はまだずっと先に控えているものだ。潮は小さく、静かに凪いでいる。
明日の朝は、穏やかな光が窓から差し込むだろう。昼にはどこかへ出かける人の波が街を動かし、賑やかな空気が流れるはずだ。夜になれば、また自分だけの静かな時間へと戻ってくる。週の半ばには潮の大きな動きがありそうだが、今はただ、この穏やかな時間の流れに身を任せておけばいい。
読みかけの本がサイドテーブルに置かれたままになっていても、気にせず、乾いた洗濯物を丁寧に畳んでおく。今夜は無理に何かを進めようとせず、明日の朝、わずかな時間だけページをめくることにする。スマートフォンを枕元から遠ざけ、そのまま電源を落とす。
※天気の予報は気象庁の発表によります
クロ・陽葵・優月が、この夜の手紙を読んでいます