・晴れた夜
蝉の声が遠ざかり、代わりに虫の音が足元から響き始める季節になった。日中の陽射しの強さに、体がまだついていけず、どこか重さを感じることもある。遠くで何かが決着を迎えるような、形にならないざわめきが胸の奥をかすめる。家の中の生活音が、かえって自分の居場所を曖昧にする夜もあるだろう。返事を保留にしたままの時間が、静かに積もっていく。それでも、街の温度を少し上げているような熱気が、夜の静寂に混じっている。
明日の朝は、新しい一週間を始める人々の足音が、少しばかり騒がしく響くはずだ。昼過ぎには街に活気が溢れ、人々の財布も心も、いつもより少しだけ緩やかになるだろう。夜を迎えるころ、遠くで待つ答え合わせの気配が、ゆっくりと形を成していく。潮の満ち引きは、これから大きく動こうとしている。
今夜は、心に少しだけ蓋をして、穏やかに眠りにつこう。明日の朝、家の中でのわずかな隙間を見つけて、済ませたい小さな用事を一つだけ済ませる。そして、明日の喉を潤すために、買い置きの水を一本、棚に足しておく。
クロ・陽葵・優月が、この夜の手紙を読んでいます
この夜の地域版 — 関西・関東