・熱帯夜
雨音に混じる蝉の声が、夏の終わりを告げている。季節がひとつ動いて、体がまだその変化に追いつけていないようだ。遠くでざわめきが、少しずつ強まっている。その気配はまだ、すぐそばには届かない。まわりの余裕が、少し削られているかもしれない。家の中で、何かに区切りがつかず、落ち着かない夜もある。
明日は、何かを始めるのに選ばれた日のような、静かな朝が訪れる。昼には、街の賑わいもまた、その一日を形作るだろう。夜には、画面の向こう側が賑やかになる。夜明けは、昨日より少しだけ遅い。
今夜は、誰かの日常が写った写真をそっと閉じて、眠りにつく。明日の朝は、自分のことだけを見つめて過ごす。使い古したサンダルは戸棚の奥へしまい、買い置きの水も一本足しておく。
クロ・陽葵・優月が、この夜の手紙を読んでいます
この夜の地域版 — 関西・関東