・新月の夜
湿り気を帯びた空気が肌にまとわりつき、季節がひとつ動いたことを肌で感じる。夜の静寂に、虫の声が遠くから返ってくる。誰かの熱狂が街の温度を少しだけ上げているけれど、どこか遠くで何かが揺れているような、頼りない気配も混じっている。まわりの人は、少しだけ忙しそうで、返事が遅くなることもあるだろう。支払いを終えた後の灯りがやわらかく、帰り道の足取りは少し乱れやすい夜だ。台所を眺めて、ふと溜息をついてしまうこともあるかもしれない。
明日の朝は雨の予感があり、足元が湿りやすい。昼過ぎには画面の向こうが賑やかになり、週末へと向かう気配がしてくるだろう。夕方からは街がにぎわい、週末へのリズムが整ってくる。月は静かに、一週間の節目を照らしている。
今夜は床に置いたものを三つだけ拾い上げて、それからサンダルを戸棚へしまう。明日の朝は、起きたらすぐに布団を整える。
クロ・陽葵・優月が、この夜の手紙を読んでいます
この夜の地域版 — 関西・関東