・雨の夜
季節の変わり目が、肌にまとわりつく湿り気となって重くのしかかる。虫の声もいつの間にか、夏の盛りのそれとは違う響きに変わっていた。実家への帰省を前に、どこか無理に顔を作ってしまうような、そんな夜もある。雨の影響で、まわりの人たちの余裕が少しだけ削られている気配もするが、それはあなたのせいではない。遠くで何かが決まろうとしている気配は、ただそこにある既知の事実として、静かに夜に溶けている。
明日の朝は、遠くでいくつか答え合わせがある。昼を過ぎると、夜にかけて画面の向こう側の賑わいが、生活の音を少しだけ増やしていくだろう。日の入りは昨日よりも少しだけ早まり、夜の訪れは確実に近づいている。週の半ばには、一度ふうと息をつける時間が来るはずだ。
今夜は、溜まった洗い物をすべて流してしまい、シンクを清らかにする。明日のための飲み水を、台所の隅にひと箱寄せておく。そして、氷を多めに入れた水筒を用意する。
クロ・陽葵・優月が、この夜の手紙を読んでいます
この夜の地域版 — 関西・関東